ここでは都立推薦入試の作文について、練習方法と対策についてまとめています。
作文は書けば書いた分だけ上達しますが、正しい書き方をしなければ意味がありません。
作文の書き方トレーニングを参考に書いてみて、学校や塾の先生に添削をお願いしましょう。
動画をアップしました
都立推薦の作文と小論文の違い
そもそも違いがよくわかりません…
あるあるですね。ざっくり説明します
分類や傾向を大まかに分けると
作文は【主観的な意見】です。☑”私が・私は”で書く文章。
☑自分の感じた事を感覚的、あるいは感情的に書いてもOK。
☑自分の経験を書く。
☑文字数は500字~600字。
☑各高校が「求める生徒像」が反映される場合が多い。
☑賛成、反対など自分の主張を書く。
☑自分の意見の根拠・理由を論理的に書く
☑テーマは1つだけか1問~4問程度に分かれている。
☑文章や図表など資料から情報を読み取って記述する。
こんな感じです。
極端な言い方をすると、語尾が大事です。
「○○と思いました」と自分だけでも思った感想を書くのが作文となります。
「○○と言えます」とみんなが知っている納得できることを書くのが小論文です。
ちなみにそれぞれを扱っている学校の数は
【小論文実施校40校】
【作文実施校125校】
【実技検査実施校18校】です。
共通しているところとしては、作文と小論文はほとんどの学校で50分から60分で実施されます。
作文の基本的な書き方
何よりも相手に読んでもらえる状態にしなければなりません。
自分が抱いた感想、見ればわかることをただ書いただけでは意味がありません。
ちゃんと自分の意見についての理由や根拠を書くように意識して、自分の考えが書けているかがポイントです。
そのために、以下のことに気を付けて書いていきましょう。
①テーマについて考える
受験生の失敗で一番多いのは【まず書いてみる】という人です。
いきなり書き出してはいけません。
練習している人は経験があると思いますが、必ず途中で行き詰まります。
まずは与えられた課題についての自分なりの考えを余白で構わないので書いてみましょう。
そこから思いついたことや理由などを書きだしていくことで、自分の文章のネタを生み出すことができます。
まずは箇条書きから始めましょう
②つながりのある内容に絞る
これもまた多くあるミスです。
書いている途中で話が変わる、何を書いているのかわからなくなってしまうということです。
書き出したことを全部書ききることはできないので、関連のある書きやすい言葉だけに限定していきます。
ここまでできれば文章は8割完成しています。
③文章の構成を考える
これが終われば文章を書きだし始めます。
関係性のある言葉をどのような順番にすればいいかを考えます。
書き出しや前置き、最後の締めくくりにどんな言葉を書くかを考えましょう。
文章の構成は【序論】【本論】【結論】の3構成がいいでしょう。
☑序論:この文章の前置き
☑本論:自分の意見の具体的な根拠
結論:☑根拠から言える結論
自分の意見を主張するための最適な形なので、意識しながら書いていきます。
④誤字脱字に注意
原稿用紙に書いていくにあたって一番の要注意ポイントです。
いい意見を書いていても誤字や脱字があれば台無しです。
可能であれば一文ずつ、最低でも二文ずつ書くたびに書いた文章にミスがないか確認しましょう。
間違った字を書くくらいなら平仮名の方がいいですね
わかりました!
平仮名ばっかりはよくないですからね?
作文・小論文の練習方法
どんなに本を読んだり頭がよかったりする子でも、一度では決していい文章を書くことはできません。
すぐに効果が表れるわけではありませんが、練習しなければ上達しません。
多くの人が取り組んでいるトレーニングが以下の方法です。
①二度書き練習
まずは過去に出た入試問題を参考に、600字程度で作文を書いてみます。
そして必ず塾や学校の先生に赤ペンで直してもらいましょう。
直してもらったら、もう一度原稿用紙に書き直します。
2度書くことで正しい文章の形を覚えることができるのです。
そうすると、次に別の題材で書くときに使うことができるようになります。
作文見せるのちょっと嫌です…
気持ちはすごくわかります
自作の文章を直してもらうのは嫌な気持ちになるかもしれませんが、自分で見ているだけでは絶対に上達しません。
作文上達のために、必ず直してもらってからもう一度書いてください。
②段落要約演習
文章は書くだけではなく読むことも重要です。
学校や塾で使っているテキストに載っている、説明的文章の段落を要約する(大事な言葉で短くまとめる)だけで身になります。
各段落を3~4行程度に要約するのがオススメです。
これを繰り返すことで【文章をまとめる力】と【文章を構成する力】が身につきます。
③読書量を増やす
書く練習と同じくらい読む練習をしましょう。
新聞などは専門用語が多くてはじめは読みにくいので、国語の受験勉強で読んだ文章を読み直すのがいいでしょう。
いい文章を読むことで自然と【いい文章の形】を取り込むことができるので、積極的に読み込んでください。
推薦作文の頻出テーマ
都立推薦入試では、小論文や作文には問題に出やすいテーマがあります。
自分の学校の傾向に合わせた題材を練習するのがベストです。
念のために似た傾向の学校のテーマを練習しておきましょう。
志望動機に関するテーマ
☑高校生活の抱負
☑将来の夢、10年後の自分について
☑本校を志望した理由
☑高校に入ってやりたいこと
学校側は
「本当に自分の意志で着たい気持ちがあるのか」
「目的意識があるのか」
「本校をよく知ったうえで志望したのか」
「しっかり将来を見据えているのか」
といった意志を確かめるために題材にすることが多いです。
これらは面接で聞かれることでもあります
その高校を志望した理由をはっきりさせて、目的を達成するために何を頑張るのかを考えておきましょう。
また、そのために高校でなにをしたいのか、将来にどうやって役立てるのかを明確にしておいてください。
しっかり準備しておけば題材ではなかったとしても面接で答えることができます。
中学校での生活について
☑中学校生活で一番思い出に残ったこと
☑中学時代に熱中したこと
☑中学校生活で学んだこと
これらの題材を通して
「中学校生活の様子」
「本人の考え方」
「成長の過程や本人の向上心」
これらを見る目的があります。
委員会活動、ボランティア、学校行事、部活動、特別活動を題材にして書きましょう。
題材に関係あることであれば小さなことでも構わないので、実体験と合わせながら書いていきましょう。
自分自身が「〇〇を通して□□を学んだ」と、成長できたことについて書けるとよいです。
友達、先生、身の回りの人との関係
「心に残っている友達とのやりとり」
「尊敬する人とその理由」
こんな感じの、周囲の人とのかかわりについての題材です。
これを通して周囲と自分をどれだけ客観的に見ることができるかを見られます。
人との出会いから自分がどう成長できたのか、学んだのかを書きましょう。
また、そこから「今後どのような人間関係を築きたいか」が書けると評価が上がります。
社会と私
「最近気になったニュース」
「外国人に日本をどのように説明するか」
この題材で、勉強だけではなくどれほど社会に興味関心を持てているかを見ることが目的です。
諸外国のニュースは当然として、普段から新聞やテレビでやっているニュースなどに目を通すようにしましょう。
難しいようですが、まずは「身の回りのものごと」について書くことができれば大丈夫です。
【9年分】都立高校推薦入試の過去問データ
平成25年(2013)から令和3年(2021年)までの過去データです。
過去の作文や小論文のテーマが載っているので、その学校の傾向を知るには最適です。
東京都教育委員会が発表しているデータをまとめました
2022と2021は集団討論はありませんでしたが、その学校の傾向を知るために掲載しています。
参考程度に利用してみてください。