都立入試の学力検査、いわゆる一次前期募集が終わって発表を待つばかりとなりましたね。
毎年2月の第3週に試験を行い、3月初めの合格発表まで1週間ほどあります。
この期間に受験生が考えているのは
- 「自己採点の結果が良くなかったから落ちたかもしれない」
- 「採点したら合格基準点に〇点足りなかったからダメかもしれない」
- 「定員割れ(倍率1.0倍未満)だったけど、点数に自信なさ過ぎて不安」
- 「都立入試って学校によって足切りあるの?」
そんな感じですよね。
今年もたくさん合格判断の問い合わせをもらっています
合格発表までソワソワします!
今回は受験した後で合格しているかの判断方法についてお伝えします。
少しでも不安の解消になれば幸いです。
また、解消しきれなかったりそれでも不安だったりしたら個別にお問い合わせください。
お答えさせていただきます。
令和4年度の合格発表はこちら
都立入試に足切りはあるのか
まずは【足切り】とは何かという話ですが、簡単に言うと
一定の基準に達していなければ不合格というものです(正確には違いますが)。
国立の大学入試で使われる制度ですが、転用しているところもあるようですね。
足切りがない場合
例えば受験の仕組み上
『100人入学できる学校を90人が受験する』
⇒90人全員合格
みたいに、定員に達していなければ全員が合格することになります。
足切りがある場合
足切りがある学校の入試の場合は
『100人入学できる学校を90人が受験する』+『合計点が250点以上の受験生は合格』
⇒90人のうち250点を超えた人が合格
となります。
なので足切りがなければ90人全員合格するはずですが、仮に10人が250点以下だった場合は80人だけ合格になるんですね。
都立入試の場合
さて本題の都立入試ですが、足切りはありません。
定員までに入れば全員合格です。
点数が100点足りなくても合格できますか?
5科目0点でも合格です
極論ですが、定員割れであれば名前と受験番号を書いて白紙で出しても合格です。
褒められたことではないですけどね!
都立入試は定員割れしていれば全員合格か
上記の理由から、定員割れしていれば全員合格です。
ここ5年以上、定員割れの学校は、受験者全員合格です。
都立高校の1.0倍以下では不合格者は出ていません。
合格になる理由
そもそも都立入試には
【受験者を総合得点順に並べて定員までを合格させる】
というルールがあるので、逆に言えば不合格にできないのですね。
また、1999年の古い記事ですがこちらの記事によると
試験中に立ち歩くなど態度によほど問題がある場合を除き、学力試験の結果は低くても定員まで生徒をとるのが原則
http://www.asahi-net.or.jp/~PF4M-ATM/EDUCATION/EDUCATNEWS/199907-EDUCATION/990906koukouzennyu.html
と挙げているので、2000年になる前から全入させています。
他の都道府県は一部足切りを設定しているそうですが。
例外のケース
それでも定員割れで不合格になるケースがあります。
不合格になる場合は以下の通りです。
- 名前/受験番号を書かなかった
- エンカレッジスクール
- 男女どちらかが定員割れと定員オーバー
- カンニング
- 試験中に他の受験生を妨害した
- 試験途中で帰宅した
要は他の受験生の邪魔をしたり、記載ミスや途中退室で欠席扱いになったりってことですね。
エンカレッジスクールは受験形態が特殊なので、これもやむなし。
男女別定員の緩和措置についてはちょうど動きのある時期(2022年2月現在)なので、別記事で解説していこうと思います。
点数が足りない場合は合格できるのか
この質問が何より多いですね。
「〇〇高校の合格基準点よりも〇点低かったです。不合格ですよね?」とか
「普段の模試よりも〇点低くて不安です。合格できますか?」とか
逆に
「合格基準点よりも〇点プラスでした。合格ですよね?」
みたいな感じですね。
そのあたり解説していきます。
合格判定の大前提の話
合格判定の方法は極めてシンプルです。
その学校を受験した生徒の総合得点順なので
仮に
男子定員100人の学校に
受験生が120人挑戦して
総合得点(普通は調査書点+学力検査点)を高い順に並べて
1位~120位まで並べて
100位以内の生徒が合格
101位~120位が不合格
です。
元も子もないですが、他の受験生よりも1点でも高ければいいんですね。
合格基準点に達していなかった場合
要は【受験生の上から〇番目(募集人数)までなら合格】なので、その順位以内に入っていれば大丈夫です。
極端な話、例えば『100人募集で受験生120人』だったとして
その学校の合格基準点が600点で
自分の総合得点が300点でも
100位以内だったら合格です。
上記したように都立入試に足切りはないですからね。
下から数えて20人よりも上なら合格できます。
合格基準点は過去の受験生から算出した基準の点数す。
達していなくても合格の可能性は充分にあります
合格基準点に達している場合
合格基準点は過去に合格した生徒の中央値で設定されています。
なので、超えていれば合格の可能性は充分です。
超えていれば十分平均以上ですし、足りていない受験生の方が多いですからね。
じゃあ20点も超えていれば安心ですね!
ただし、年度によっては油断しないでください
逆に言えば、達していたとしても『他の受験生の成績』が良ければ合格の可能性が薄れます。
他にも例えば
- その年度の入試問題が簡単だった
- 記述や完答問題が減って選択肢の問題が増えた
- その学校の倍率が例年よりも高かった
- 取り下げ後に倍率が上がった
こういったケースは安心しているとショックが大きかったりします。
入試問題が簡単だったら『受験生全体の点数が上がってししまう』ことで、他の受験生の方が総合得点が高い可能性があります。
また、偏差値が高い受験生が『私立はなしで都立一本』なために合格基準の低い学校に切り替える可能性もあります。
人気校では特によく起きていることですね。
それでも基本的には『基準点を超えていれば合格』の可能性は高いでので、心配はし過ぎないように。
〇点足りている/〇点足りていない場合
ここまでの説明を読んで理解してくれた人も多いと思いますが、
〇点だったら合格/不合格の判断はできないです。
他の受験生の点数を全部集計しないと無理ですね
それでも模試の会社が出している合格基準点に近い、あるいは大きく超えているに越したことはありません。
そして足りていない場合でも合格する可能性は充分にあります。
例えば
- その年の入試内容が難しかった
- 受験会場に来た受験生が少なかった
- 出願取り下げ後に私立に切り替えた
こういった場合は合格する可能性が高まります。
入試内容が難しければそもそも全体の平均点が下がるので差がつきにくくなります。
また、出願はしたけど当日様々な理由で欠席する受験生もいるので倍率も下がります。
なんにせよ、受験生全体の入試結果がわからないと判断付かないので心配するだけ損です。
私も含めて誰に聞いても、定員割れでもしていない限り
「大丈夫です」か「そのぐらいなら合格でしょ」程度の解答しかできません。
なんとか安心させるようなことしか言えないのです。
まとめ:合格したか不安だったら何をするべきか
もうなにも手につかない人が多いと思いますが、いくつか考えられると思います。
佐々木は心配性なので前向きに準備する話しかできませんが
2次後期募集の準備
何があるかわかりません。
でもすることがないなら今までどおり勉強してたっていいのです。
期末テストが終わっている人もいると思うので、最悪の場合を考えて勉強しておくことをおススメします。
科目数は限定的なので準備も難しくありません
また、難易度もべつに高くなったりはしません。
合格発表まで落ち着かないなら、何が起きてもいいように勉強しておいた方がいいですね。
都立入試の2次募集とは高校の準備
うちの塾では高校準備を始めています。
結局のところ、都立入試はゴールではなく途中経過です。
今から準備するだけで高校でトップの成績になる方法があるので、毎年それを実践しています。
大学受験が成功するかは『高校最初のテスト結果次第』なところがあるかられす。
高校受験で苦労した人は、ぜひそのままの勢いで高校準備してイージーモードにしてほしいですね。
都立入試が終わった後にするべきこと以上そんな感じです。
誰に聞いても答えは返ってきません。
返ってきたとしても正しいかわかりません。
この不安な時間も含めて【都立入試】なんです。
乗り越えて、高校生になってくださいな。